2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

答えを教えると考えなくなる

質問は「共通な問い」としてとらえて、協働して答えらしきものを探していくのが良いという記事を書きました。 質問する役と答える役が分離してしまうのは良くない、という点について少し考えてみます。 答えるのは調査代行 人は教えると考えなくなる、という…

共通な問い、一方的な問い

質問に一方的に答える 質問する人と答える人がいて、役割がはっきり別れている質問を「一方的な質問」と呼ぶことにします。 これはたとえば生徒が「三角形の面積の公式は何ですか」と質問して、先生が「底辺かける高さ割る2です」と答えるようなことです。 …

がんばらない人をいかに育てるかが重要

がんばること 結果を出すためにがんばるということが、虚しいことのような気がしています。 ごく一部の強い人にとっては競争に打ち勝つための努力が必要でしょうが、全ての人にとって大切だとは思えません。 人それぞれの個性を無視して、一律に他人と比較し…

抑圧するからメンタルが弱くなる

生徒と接していて、常日頃感じるのは、結構大人から抑圧を受けているなぁという感覚です。 古今東西、その年令においてはみんな同じようなものなのか、それとも現代日本特有のものなのかはっきりとはわかりません。 選択できないという辛さ 現代の若者はメン…

がんばらなくていい上手な方法を考える

10年前、勝間和代が言っていた努力せずに楽をするのではなく、いかに楽に努力するかが重要だというような言葉が、当時大学生だった私には衝撃的だったのを今でも覚えています。 がんばることへの違和感 かねてから「がんばる」とか「努力する」という言葉に…

依存されないことが先生の最終目的

人は誰かに依存したい気持ちがあるのかもしれません。教育する側にとっても頼ってもらえることはうれしいものです。 しかしそれではお互いに依存しあう関係で、どちらかが欠けると一気に道を見失ってしまう可能性があります。 深く相手を思えば思うほど、い…

教えないタイプの先生に必要なこと

ティーチングをする先生と、コーチング寄りの教えない先生では求められるものが異なります。必要と思われることをリストアップしてみました。 「正解は本人の中にある」という前提のもと、自分で考えてもらうというのが全体を通して一貫している理念です。 …

強い人よりしなやかな凡人が求められる理由

剛よく柔を制すという言葉がありますが、これからの時代は強い人よりしなやかな凡人を育てる教育が必要だと考えています。 現実的な理由 物質的な理由として、少子高齢化という大きな問題があります。 かつては競争やふるいにかけるようなシステムで一部の強…

弱音や反論を引き出せる講師になる

正解のない社会では、いかに自分が正しいかという「権威」の必要性が薄まってきています。 言い換えると「誰が言ったか」よりも「何を言ったか」という本質的な部分がより重要視されるようになってきました。 権威の必要性 先生という立場においても権威より…

少子化で受験生は増えるがエリートは減る

子どもの人数自体は減っているのに、塾に通う生徒はさほど減っているように見えません。むしろ地方では通塾率が上がることによって増えているのではないかと思います。 勉強に取り組む生徒の質は変わってきていると肌で感じます。 20年前にはごく一部のエリ…

地方だからこそ知り合いを頼ったビジネスをしない

地方では人間関係が濃密です。だからといってビジネスで知り合いに頼んで買ってもらうということは、サービスの質という点ではマイナス効果になると思っています。 知り合いは大した影響力がない どんなに知り合いが多い人でも、知り合いのパワーはすぐに枯…

時代の流れではなく合理性で

子育てママが働きやすい環境や、LGBTQへの意識向上など人に優しい社会を作る動きが活発になっています。 人に優しい社会はそれだけで価値があると思いますが、なんとなく雰囲気だけで流行しているように見えて違和感を感じる勢力が一定数いるのも事実です。 …

小さな思考でも評価する

どんな小さな思考でも、評価され促進されるべきだと思っています。 しっかり思考できているかは、問題のマルバツのみによって判定することができるという思想もあります。正しい思考をしていれば自ずと問題に正解することができるのだから、マルがつくまで思…

思考も飽和するかもしれない

20年以上前から言われていて今では常識的ではありますが、人間よりコンピュータの方が記憶力では上回っています。 だからといって、人間が記憶しようとする行為がムダかというとそうではありません。どのようにして学習するかをトレーニングすることは重要な…

勉強「させる」から「引き出す」へ

教えることは不可能だという記事を書きました。 3kuni.hatenablog.com それと同じように、勉強させることも不可能ではないかと思っています。 「させる」ことができるのは作業的なものに限られていて、思考させることは難しいです。 そして勉強する意味は単…

見えない学力を評価する

ペーパーテストなどの数字で見える成果に対して、見えない成果をどう評価したらよいかと考えています。 たとえば自分で計画して勉強を組み立てる能力は、必ずしもペーパーテストに反映されるわけではありません。しかし生きていく上では非常に大切な能力で、…

口うるさく注意するほど自覚が薄れる

「勉強しなさい」という注意は効果のないものだというのは皆さんよくご存知かと思います。 命令、否定、禁止は自覚を奪う 外部から注意されればされるほど、自分の悪い点についての自覚は消えていきます。これは仮に注意を聞き入れたとしたとしても同じこと…

講師として一歩踏み込んだ関わり方

塾の講師や学校の教師として経験を積むにつれ、自分中心の関わり方から生徒中心の関わり方へと変化していきます。その変化の段階を考えてみたいと思います。 教える(ティーチング) まず講師はレクチャーのスキルを磨いていきます。 「わからない」と言ってい…

理由がないけど好きなものが最高

昨日(2018/07/12)、突然Macbook Proの新作が発表されました。そろそろ買い替えの時期なのでとても魅力的です。 Macが好きな理由 普段WindowsもMacも両方使っていますが、やはりMacの方が好きだなと思います。 iOSアプリを開発するという現実的な理由が一つあ…

宿題をなくして熱中する趣味にあてる効果

数値化したり評価したりするのは難しいのですが、何かに熱中する体験は非常に重要です。 学生のうちに熱中する内容は周りの大人から見るとくだらないことも多いので、あまり感心されないことが多いものです。 誰しも熱中する才能をもっているにもかかわらず…

ティーチングを切り分ければ、教科指導は難しくない

一般の方が、学校の勉強の指導をする「先生」になることはかなりハードルの高いことに感じられるかもしれません。 教育について考えるのが難しいことでないように、教科の指導も思ったよりも難しくないです。 ティーチングは映像や検索も含めた教材に任せて…

教えることの不可能さ

職業柄、「どうやって人に教えたらいいのか」という話をされることがあります。他の方が使う分にはまったく気にならないのですが、私自身は普段「教える」という言葉はほとんど使いません。 教えるということは不可能だと思っているからです。 日本語の教え…

指示命令が有効なのはいつまで?

以前、従順さはリスクになり得るという記事を書きました。 3kuni.hatenablog.com いつから主語が生まれるか 赤ちゃんの時は「〜しなさい」と子どもに指示を出すことも当然必要です。大人の友人同士では指示命令を出さないのですから、どこかに境目があるはず…

「注意されるうちが華」を疑う

誰からも注意されなくなったら終わりだ、という話を聞きます。誰かから注意されているうちは改善する可能性を期待されていて、注意されなくなったら見放されたということです。その理屈を聞くと、確かに納得できます。 ただ、私自身の経験では、注意してくる…

芸術でなくても美意識が重要

学校では美術より数学を優先しているように、私達は感覚より理性をより高度なものと考えています。 しかし、芸術以外の分野、特にビジネスなど知的な活動の中でも美意識を重視していく時代へと変化しています。 美意識とは 美というのは高尚なものではなく、…

教育を難しく考えず、死から考える

もっと大人が教育についていろんな議論をするべきです。学校の先生、塾の先生、専門家のことなど気にせずどんどん勝手に意見を言ったらいいのになと思っています。 教育というと堅苦しいですが、難しく考える必要はありません。 自分が死ぬ時に子どもに願う…

数字を解釈する

これまで何度かマルバツ思考について考えてきました。 3kuni.hatenablog.com 3kuni.hatenablog.com 思考をショートカットする時に楽なので、マルバツ思考は使われます。 これはマルバツだけではなく数字に関しても同じで、数字の実体よりも解釈の方が大きく…

考えるためのマルバツ

以前、勉強において生徒も先生も自ら考えるのを短絡させるために、マルバツというものに頼りがちだということを書きました。 3kuni.hatenablog.com 本来大切な、「考える」ということのためにマルバツを利用するにはどうしたらいいかを検討してみます。 マル…

勉強でもっと「感情」を大切にしたい

指導要領の目標の中に「数学のよさがわかる」という文言が入っていて、ちょっとしっくりこないなと思っていました。 もしかしたら、ポジティブな”感情”をもつことが「よさがわかる」という言葉の意味なのではないかと考えました。 勉強における感情とは 教科…

過保護とは「考えさせないこと」

本当の意味で子どもを甘やかす過保護な行動というのは、一般的なイメージとはちょっと違うかもしれません。考える力を奪うことは甘やかしであり、成長を止めるものだと思います。 指示通りやらせる 例としては、大人の側が正しいと思っていることを言われた…