芸術でなくても美意識が重要

学校では美術より数学を優先しているように、私達は感覚より理性をより高度なものと考えています。

しかし、芸術以外の分野、特にビジネスなど知的な活動の中でも美意識を重視していく時代へと変化しています。

美意識とは

美というのは高尚なものではなく、自分の内面にある「いい」と思う感覚のことです。

自分にとっての”美”が、必ずしも他の人にとっていいこととは限りません。いわゆる反社会的なことに美を感じる人がいたとしても、人間社会では良しとされません。

社会にとっていいことは”善”と呼ばれ、善は美よりも理性的なものだと考えられます。もちろんどこからが美でどこからが善かは境界線があるわけではありません。

合理性の臨界

今の世の中の環境を見ると、理性的な判断をして最適解を求めるのが容易になりました。かつて合理的な判断をすることに価値があった状況では、理性的な判断に重きがおかれていました。

今や合理性は臨界点を迎えて、ありふれたものになってきています。

そうなると独自性を出すためには、人間の内面にある美意識の助けが必要になってきます。論理だけでは導き出せない、感情を含めた美の感覚こそが独自の価値を生み出すことができます。

合理性を極めると自分の内面と向き合うことに戻ってくるというのはとても興味深いことです。

これからの時代には、飽和した合理性にプラスして、美意識に基づく独自の創造性が求められます。