2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧

一人の人間として認められたい

よくテストの成績がどうとか、学力がどうとかいう言葉が出てきますが、それは言葉にできない不安が漏れ出ているだけで、文字通りテストの成績を上げたいというのは少し違います。 それを忘れてしまったり、気づかなかったりして数字に縛られ始めると、つまら…

プルリリンガル

バイリンガル、マルチリンガルという言葉はよく聞きますが、プルリリンガルはあまり馴染みのない言葉です。私はフィンランドのNational Core Curriculumではじめて見かけた言葉だったので少し調べてみました。 言葉の意味 プルリリンガルというのは発音しづ…

幸福感のことを「感じ良い」と表現した無印良品

マーケティング、プロモーションに関して、無印良品ほど見事な戦略を展開している企業はありません。 幸福という言いにくい言葉 どうしても幸福という言葉はおおげさになりがちです。強い衝動がある時は言えるのかもしれませんが、幸福という言葉は日常的に…

成績アップはすでに自己肯定感のある子に有効

卵が先か鶏が先かという話ですが、いくらテストで点数を上げる方法を指導しても、自己肯定感が高くなければ効果が無いのではないかと考えています。 二つのことを同時にやるのか 塾や学校の先生の中には、自己肯定感を高めることの一つの手段として成績を上…

論理的思考とコミュニケーション能力は似ている

論理的思考というとちょっと堅い知的なイメージ、コミュニケーション能力というと柔らかいフレンドリーなイメージがあります。別の印象を受けるこの二つはどちらも同じ能力だというお話です。 他者の視点 二つに共通するのは「他者の視点」が必要だというこ…

大人の自己肯定感が低かったら

子どもの自己肯定感が低いということがメディアやネットで取り上げられています。 調査研究報告書検索 子どもたちと接する大人はどうでしょうか?自己肯定感の低い大人が教育に関わることで、さらに自己肯定感の低い子どもが育てられてしまうという負のスパ…

自己肯定感が高すぎるのも困りもの?

自己肯定感とは無条件で今の自分を認められる感覚のことを指します。2016年以降、教育関係者以外にも広く知られる言葉になり、今後ますます周知されていくものと思われます。 trends.embed.renderExploreWidget("TIMESERIES", {"comparisonItem":[{"keyword"…

学校や勉強が自己肯定感を下げる道具になっていないか

最近はもっぱら「学校や勉強が自己肯定感を下げていないか」という問題提起したいと考えています。 自己肯定感は無条件 自己肯定感とはあるがままの自分を認められる感覚です。自己肯定感の逆は、今の自分に何かをプラスしたらもっと幸福になれるというない…

否定せず優しくするとダメになるという批判

辛いことから逃げるのは良くない、生やさしい態度で教育するべきではない、という意見は根強くあります。 今日見つけた記事にもそのような立場から主張がなされていました。 setsuyaku.ceo 記事ではある実験を紹介しています。 一つ目のグループは 問題が解…

自分と他人の分離

日本人は自分と他人の領域の区別があいまいだといわれています。 大人同士ではまともな議論もできないのに、子どもに対しては威圧的な態度を取ってしまう大人が多いのもそれが原因かもしれないと思いました。 自分も他人も同じだと思うから、他人の領域まで…

覚える、考える、感じる

勉強において、考えることや感じることの重要性は見過ごされがちです。 正解がないとしても納得できる答えを求めることは大切です。学習を促進するためにはポジティブな感情が必要です。 学校や塾の現場では先生方が一生懸命、それらの重要性を伝えています…

やる気の温度差でヤケドする

やる気を出してもらえる方法はないかと悩む方はたくさんいらっしゃいます。 やる気というのは相手と自分の相対的なもので、温度差があるとヤケド状態になってしまうのではないかと思います。 たとえば受験でいえば、保護者のやる気が生徒のやる気を上回って…

習い事のような塾

塾を習い事教室のような立ち位置にポジショニングできたら、かなりの強みになるとずっと考えてきました。 成績を上げるのが塾の役目だ、という前提条件は世の中に当然あります。それを信条にして塾を運営するのは王道的な選択だと思います。 しかし、ここ数…

成長しなくてもいい

フィンランドの学習指導要領にあたるNational Core Curriculumの冒頭で宣言されている、 Each pupil is unique and valuable just as he or she is. という一文をどう訳すのがいいのか考えています。 生徒は、他人と比べられない個性をもち、ありのままでい…

他人と比べない、第一歩は自分と比べない

他人と比べるのはよくないということはよく言われています。指導者や保護者が生徒と関わる時、まず最初に比べてしまうのは自分自身と生徒ではないかと思います。 講師が初期に感じること 塾などで指導しはじめたばかりの講師がはじめに感じるのは「なんで生…

肯定から入る勉強にしよう

大人の社会では当たり前のことが、教育の場では当たり前ではないということが多々あります。特に子ども相手であれば抑圧しても許されるという場面がよく見られます。 3kuni.hatenablog.com 勉強に関していうと、全体として否定から入ることが多すぎると感じ…

将来役立つレベルの学習を

英語を4技能のスキルで評価する英語教育改革が叫ばれています。英語を学習し始める学齢も下がっていきます。 よく言われるのが、英語の受験勉強を6年間一生懸命やっているのに、ほとんどの人が実用的に使えるレベルに達していないという、これまでの英語教育…

塾のギラギラ感がこわい

塾に対するネガティブイメージの一つとして、ギラギラしていてこわいという感覚があると思っています。 「定期テスト50点アップしました!!」「熱血指導します!!」というノリがこわいと感じる人もいるのではないでしょうか。結果が全て、と言われているよ…

気持ちの切り換えコストは多めに見積もる

気持ちの切り換えにかかる精神的コストは、思ったよりも大きく見積もって計画したほうがいいなと感じています。 気持ちを切り換えるという単純なことに思えるのですが、この負担は決して軽視できません。 たとえばダラダラしている状態から勉強に取り掛かる…

子どもの自己肯定感を高めるのは国家の最優先事項

学力や経済力が高くても幸福度が低いままだというのが今の日本の大きな課題です。 いろいろな物質的課題を解決しても、結局は否定的なものの見方をする限り幸福度は高まらないということです。 現実的な社会システムや課題を解決するよりも、子どもの段階で…

EdTechの悲しい使われ方を見た

学習を記録したり管理するアプリを導入している学校があり、生徒に少し見せてもらいました。 生徒は日々の学習時間や内容を記録していて、それに対する担任の先生からのメッセージが届いていました。 その内容は「記録を忘れています。今すぐ書きなさい。」…

数字で評価されて喜ぶ人はいない

社会では当たり前のことが、教育の世界では当たり前でないということがたくさんあります。 以前書いた記事ではストレスが少ない方が良いということに触れました。 %% http://3kuni.hatenablog.com/entry/2018/08/08/232548 人間を数字で評価するというのも、…

勉強は本来形のないもの

勉強においては、覚えることだけでなく考えることや感じることも重要です。 勉強=テストという考えを捨てて、勉強は形がなく、目に見えないものだという前提をベースにしてはどうかと思います。 指導者側はこれまで勉強の成果をどうやって形にして視覚化す…

ストレスは少ないほうがいい

子供の頃、社会に出てからはストレスが多いなどということを言われましたが、実際には全く逆で学生の頃のストレスにはもう耐えられないという気がしています。 やらされている感 宿題、部活などノルマに強制されて色々な作業をさせられ、どう抵抗しても無駄…

なぜ教育に物質的なものを求めるのか

日本と欧米のモンスターペアレントの違いとして、日本では「なんでみんなと同じように扱ってくれないのか」というのに対して、欧米では「なんでもっと子どもの個性を活かしてくれないのか」という苦情が多いという話があります。 日本がダメというわけではな…

3つのH

数学の面白さに気づくのには三段階あると言われています。 Hand (方法がわかる) Head (理屈がわかる) Heart (よさがわかる) Handは計算ができてドリルでマルがつくという段階、Headはなぜそのような計算になるのかを理屈でわかった段階、Heartはどういう意味…

直観と美意識を磨く

直観とは、適当なあてずっぽうではなく、完全に習慣化された脳の働きと言うことができます。 たとえば、自転車の乗り方を覚えるとき、最初は「バランスを崩さないように」とか「前を注意して見る」とかいろんなことを考えながら乗るはずです。慣れてくるにつ…

「見る」という先生の仕事

指導する側の重要な仕事として「見る」ということが挙げられると思います。 見過ごされがちな指導法 問題にマルバツをつけたり、点数をつけることに偏った考えをしていると、「見る」という形の見えない指導は軽視されがちです。 形にならない、勉強における…

Appleのチャットサポートを体験して検索の限界を知る

昨日Appleのチャットサポートサービスを利用してとても素晴らしいサービスだと感動しました。 パソコンのモニタへの接続がうまくいかないので、何か原因があるかどうか知りたかったのです。ただし、接続する機器やモニタの組み合わせは無数にあるわけですか…

教わることの盲点

教える/教わるというのは勉強の一つの方法であり、有効な場面もありますが万能ではありません。 受け身 一つの盲点は、教わるということが受け身の行動であるということです。自分から行動したものではないので、固い知識しか得られないことが多いです。いわ…