覚える、考える、感じる
勉強において、考えることや感じることの重要性は見過ごされがちです。
正解がないとしても納得できる答えを求めることは大切です。学習を促進するためにはポジティブな感情が必要です。
学校や塾の現場では先生方が一生懸命、それらの重要性を伝えています。
得点力は学力なのか
しかしテストで評価されることを基準している以上、覚えることに重点が置かれてしまうことは無理もないことです。
得点力と、重要性を図に表現してみました。
暗記やパターン習得を含め、覚えることで得点は非常にとりやすくなります。もちろんテストではいかに考えているかを測定しようという上質な問題もたくさんあります。質の高い問題では、考えることが点数につながります。
ポジティブな感情は点数にならない
一方、感じることはほぼ得点につながりません。
たとえば、方程式の解き方に感動して「おもしろい!」と感じたとしても、テストの得点にはすぐには反映されません。本当であればこのようなポジティブな感情こそが学習を勇気付けるはずであるにもかかわらずです。
こういった感情は外部から評価するというものには馴染まない性質のものです。
テストの一部に「この単元の感想を書け」という問題を出して点数化するとしたら、生徒は得点のために虚偽の記述をするでしょう。
こういったところに、外部から評価することの限界を感じざるを得ません。
形骸化してしまう外部評価より、曖昧に見える自己評価の方が役立つ場面があるということです。