理想のテストは「書け」
テストの形式として目指している理想の形があります。
それは、「〇〇について書け。」というそれだけの問題です。それに対して生徒はレポート形式で文章を書いて提出するというものです。
例えば「室町時代について書け」という問題について、できごとや人物の知識や前後関係を生徒がレポート形式で語っていく。そういう形が本来勉強の目指すべき姿なのではないかと思います。
非常にシンプルな方法ですが、非常にレベルの高い、大人びたクールなテストだと思っています。レポート形式のテストにするとすればかなり高い能力が求められ、将来にも役立つ時代普遍のコミュニケーション能力が身につくはずです。
しかし今いきなりそういったテストにシフトするのは非常に難しいことです。それは生徒だけなく、先生にとっても非常に高いハードルがあります。
生徒は文章を書くトレーニングをしていないのでレポートを書くのは非常に困難です。既存の枠組みの勉強法では文章を書く練習が不足しています。
先生の方としても今までのクイズ形式の問題に慣れているので、レポートをどう評価したらいいか非常に悩ましいのではないでしょうか。
いま我々が普通と思っているテストは、非常に管理しやすい合理的な形式です。
公平性と言う縛りがあると言うことです。たとえばセンター試験や共通テストは問題作成能力のない学校の肩代わりをして国が問題を作成している側面があり、そのため公平中立という意識が強く残っています。
本来は公平中立な立場など存在しないので学校別に個性のある問題を作成すれば良いのですが、それを丸投げしている形になるので、公平性と言う制約に非常に縛られてしまいます。
しかし、公平性を求めた結果、行き着くのは選択問題や形骸化した記述問題です。
公平なマルバツクイズ形式のテストではなく、主観的な評価で構わないので記述式のルーブリックのようなものも採用していくと良いはずです。
一回テストして採点して終わりではなく、その後も受験者と採点者で対話が可能な形を目指すべきではないのかと考えています。
それを阻むのはコストの問題です。時間的コストであったり、スキルのある先生を確保するというコストの問題があります。
文章を書く形式の試験を実際にどのように運用していったらいいのか、というのが今後の課題だと思っています。