公平さで価値観が固定化される

何かの基準で公平であるということは、その基準に重要な意味があるという価値観を持たされることになります。

たとえばペーパーテストの問題を公平に作るということは、暗黙のうちに「マルバツで答えられる問題をできるだけ多く答えられることが良いことだ」という価値観を固定させることになります。10点の生徒よりも90点の生徒の方が価値が高いという発想です。

実際にはもっと多様な価値観がありますよね。かつて10点だった生徒が40点取れるようになったのならば大きな進歩で、評価されるべきだという価値観もありますよね。それ以外にも、マルバツのある問題はあまり意味がなく、正解のない問いに何らかの解決策を提示するということが重要だという価値観もあるはずです。

多様な価値観があるのですから、公平さにさほど敏感になる必要はないのです。あまり公平を叫びすぎると、価値観が硬直化してしまうのではないかと思います。