「やってみたら」だけが心の支え

ぼく自身の限られた経験でいうと、「こうした方がいい」という正論には行動を変えるような影響力はなく、「やってみたらいいじゃん」という励ましだけに支えられて行動してきたと感じます。

たとえば独立して塾を始める時も「やめた方がいい」という意見がほとんどでした。経験を積んでからの方がいいとか、もっとこうやったらいいとか、当時二十代半ばだったのでぼくへの心配も含めてのことですし、どれも正しい意見だったと思います。

その一方で「別に失敗しても大したことないからやってみなよ」と言ってくださったごく数人の方の言葉はずっと心の支えになり続けています。

結局は正論に行動を変える効果はなかったのだと感じます。

人との関わり方としては、こうしたらいいとか自分の方が正確な事実を知っているというのは相手にはあまり関心のないことで、相手にとっての答えが何なのかを引き出すことこそが重要なのではないかと思います。