子どもは専門家ではなく仲間から学ぶ

知識や社会性が先生から生徒へ、親から子へと伝えられていくと考えるのは少し常識を過信しすぎかもしれません。

学びは上から下へ「与える」「教える」のではなく、自分から「探しに行く」「学ぶ」というモデルで考えたほうが効果が高いのではないかと思います。

自分が仲間だと思う集団(peer group)からの影響力(peer effect/peer pressure)が非常に大きいということが報告されています。

素晴らしい専門家に教わることが学ぶことだという前提で学びの仕組みを作ると、いわゆる看守と囚人の関係になりがちです。

先生は看守、生徒は囚人です。囚人は囚人たちの仲間の中で自分がどういう立ち位置にいるかが重要なのであって、良い看守になりたいとは考えないものです。きっちり別カテゴリに分類してしまうので効果が薄いということです。

先生や親が自分の世界観を押し付けるのではなく、仲間集団の中に入れてあとは本人を信頼して自分なりの世界観を創造するのを見守ることが重要です。可能であれば仲間集団の場の空気を作ってあげたりすることもできます。