オンライン教育に欠けているもの

いまICTを利用した学習環境の整備が急ピッチで行われていて素晴らしいことだと思います。今後さらにトライアルアンドエラーを繰り返しながらよりよいものになっていくはずです。

その一方で今の段階で非常に欠落していると思うのは、先生や教材よりも仲間が重要だという発想です。

先生がついていれば安心、良い教材があれば安心というのは少し疑わしいです。

生徒はあくまでも良い生徒になろうとします。もっとも強く影響を及ぼすのは自分が仲間と思える生徒なのです。

たとえば先生が強制して勉強させるよりも、仲間が勉強している姿を見せる方が行動に移す可能性が高まります。

仲間が見えるような環境づくりをすることが先生の重要な役目だと思いますが、その大切さはなかなか理解しにくいものです。先生は直接生徒に働きかけることで「自分は仕事をしている」という達成感を得ているからです。

しかし仲間が重要だということを、先生が言わないと誰も気づきません。

勉強は先生とやるもの、友だちとは遊ぶものという固定観念を転換して、勉強を友だちとやるという発想へと導けるのは先生だけなのです。

オンラインを使った教育においても、生徒から仲間の生徒がいることを感じられるような環境づくりができればさらに良いものになっていくと思います。