指導要領で教育は変わらない

指導要領が新しく変わるということで注目されていますが、実は指導要領だけではさほど大きな影響はないものと思われます。

今まで何十年も教育を変革するために中教審による意見が提出され、それを受けて学習指導要領が作成されてきました。それでも数十年前と変わらぬままの教育を続けています。

変わらない理由の1つは官僚的なシステムが指導要領が実際に生徒に到達するまでに、間に入る組織が多すぎる構造です。文部科学省が指導要領を交付して、教材会社が教科書を作り、教育委員会が入り、それぞれの学校の方針があり、学年の方針があり、ようやく教員個人の指導にたどりつきます。

もう一つの理由は、指導要領がどんなに素晴らしいものだとしても保護者や生徒の気持ちとしては「でも、入試には役に立たないんでしょう?」という考えがあるということです。

だからこそ、大学入試改革によって入試というゴール自体を変えようとしているのです。

指導要領よりも入試やペーパーテストを変えることが教育の未来には重要だということを、学校の先生や専門家がわかりやすく解説していかなければならないと考えています。