成果を求めるのは目的がわからない恐怖から

無知や無理解は攻撃性のある行動を引き寄せます。

上司が部下に、親が子どもに「結果を出せ」という成果主義の関わり方は、目的や手段についての情報量が少ないことが原因で起こる事態です。

たとえばテニス選手とコーチがいたとします。コーチは選手に対して「とにかく勝て」とか「点数を取れ」という結果だけに注目した声がけをするでしょうか。このような指導をしても状況が良くならないのは明らかです。

コーチならば、フォームをどのように直したら良いかという普段の練習の方法を指導するのではないでしょうか。何が目的で何が重要かという情報をたくさん持っているので、結果ではなく途中のプロセスに意識が向かっているのです。仮に試合で結果が良くないものであっても、フォームが改善しているのならば落胆することはないと伝えることがコーチの役割です。

勉強でいうなら、大人が生徒に成果を求めるのは、勉強のやり方や目的がわからない恐怖から自分を守るためにしている行動です。

成果を求める人を責めたいというのではなく、そういった人の心にある弱さに対してどのようにケアができるかに注目していきたいと考えています。