従順さを求める勉強のその先

今の勉強の目指すものが従順さを求めるものになっているのではないかと考えています。

たとえば入試対策に関してもいわば最適解のようなものが確立されてしまっていて、大人が教えてくれた通りの方法をやることで成果が最大化されます。

あくまでも用意された戦略を実行しているだけなので、真面目に勉強に取り組んで結果を出す人ほど、何も自分の手で学んでいないという矛盾した状況が起こり得ます。

大人としても、生徒が自分の思い通りに動いてくれるというのはコントロール欲求を満たしてくれます。子どもとしては、大人からの評価によって自分の存在が承認されるというのは非常に大きな心の支えになります。

大人は子どもをコントロールしたい、子どもは大人に認められたいという利害の一致による共犯関係があるのではないかと思います。

しかし一方で従順さによって勉強をうまくこなしていた人が社会に出て生きていく時に「言われたことしかできない」という評価を受けるのではないかという不安が残ります。

教育を通して子どもたちに本当に身につけてほしい能力は従順さなのか、よく考える必要があると思います。