どこまで理解させればよいか

講師は、生徒によって理解力が違うということを認める必要があります。生まれつきであったり、それまでの経験であったりで違いが出てきたとしてもあまり深追いする必要はありません。

他人と比べず、個人個人ががそれぞれのペースで成長し、学習が促進されることが教育の大切な目的です。他人と比べないというのは、まず自分と相手を比べないことです。講師は自分と同じレベルの理解を求める必要はありません。

講師は、生徒にどこまで理解してもらえば良いか、ちょうどいいところを見極めて情報を伝えていく必要があります。理解度のペーシングです。

たとえば、円の面積の公式は丸暗記するよりも三角形の面積の公式を使って導出を説明してもよいと思います。しかし、中学生が球の体積の公式を覚えるときに、積分を使って公式の導出をするのはほぼ不可能です。

このように状況によって、理解の深さは随時変えていく必要があります。