ガムやアメを止めさせる

ルールや上下関係を作ることではなく、個別対応することで解決するのが教育的に意味があることだと考えています。

具体的な例として、大学の教授が講義中に生徒がガムやアメなどを食べるのをどのように止めさせるかということを考えてみたいと思います。

一番簡単な方法は、一律で禁止することです。

「この講義ではガムやアメを禁止します。」

このような方法だと禁止する教授は何も考えなくてもいいですし、言葉も少しで済みます。学期のはじめに全ての生徒に周知させていれば、公平なようにも見えます。

しかしこれは硬直的で柔軟性にかける気もします。

「ガムやアメは禁止されているが、ミンティアは禁止されていない」というような事態が起こりがちです。そしてルールはどんどん厳しくなり、お互いの心の距離は離れていくという状況を実際に目にすることがよくあります。

一番深刻ななことは、禁止や許可では相手の学生は何も考えず、成長しないことです。

個別に対話する例としては、まず最初に周知などはせずガムやアメを食べるような生徒が出てから話をすることを想定します。

「ものを食べながら人の話を聞くのは不真面目に見えるような風潮があります。自分もあまりいい気がしないので、やめて欲しい。」

命令や禁止ではなくこのように依頼することによって言われた生徒は自分のこととして考える可能性があります。場合によっては納得して行動を変えるかもしれません。

また別の機会に似たようなことがあったとしても、生徒は以前の記憶を思い出して理由を考えて行動するようになるかもしれません。

公平かどうかという観点ではなく、このやりとりのあとに相手が成長するかどうかという観点で見ると、個別に対応することの方がよさそうに見えます。

それでも言うことを聞かなかったらどうするのかという反論もありますが、そういうケースはルールで一律に禁止したとしても同じ状況になります。

このように、一律のルールではなく個別対応によってコミュニケーションを取ることが重要なのではないでしょうか。