文章を書く時に、心にブレーキをかけるもの

ここ数週間、中高生に文章を書くように誘って短いエッセイを書いてもらっていました。

文章を書くことに苦手意識を持っている生徒が多いことは容易に想像できると思いますが、生徒たちが書く時にどんなことが心にブレーキをかけているのかじっと観察してみました。そうしているうちにわかったことがいくつかありましたので、まとめてみます。

f:id:k3kuni:20180608212438j:plain

思考と言語の壁

なんとなく頭に考えは浮かぶけど、文章にできないという状況があります。

これは、何かを考える時は、言語を使わずに考えることもあるということに関係しています。思考は100%言語化できるわけではなくて、言語にしようとすると多かれ少なかれ損失が生まれます。

言葉にできないからといって何も考えていないわけではないのです。それを理解した上で、思考と言語の間の損失を減らしていくことがコミュニケーション能力にもつながっていきます。

そして自分の考えを、他者に伝えるために言葉にしようとすればより深く考えることになります。

話し言葉と書き言葉の壁

口で話していると言葉は出てくるけど、文章にできないという状況もあります。

これに関しては、話す時には文法や細かいことに気を取られないからです。話題があっちこっち行ったり、極端に短い文だったり、多少破綻した文章でも会話をする分には気にならないからです。

文字にして書く時も、それくらいラフに一回書いてみると良いようです。もちろん誤字脱字を気にする必要はありません。

思考することを目的に

生徒たちが普段作文など文章を書く時には、誤字や形式的な間違いを指摘されるだけで、論理性などをトレーニングさせてもらえないのかもしれません。思考を深めるために文章を書く時には細かいことは考えなくてもいいのだと思います。

生徒たちの文章能力はまだまだ伸びるなぁという感じがして、とても楽しいです。若い時期に文章力をつけることはものすごい財産になると信じています。