保護者の不安

保護者の方がお子さんの心配をするのはいつの時代も変わらない心情ですが、近年は少し状況が変わってきたのかもしれません。「子どもが成長したと感じるか」という問いに「よくある」と答えた小中学生の保護者の割合が減少しています。1998年は74.5%だったのに対し、2011年は62.8%となりました。

第4回子育て生活基本調査(小中版) [2011年] │ベネッセ教育総合研究所

塾で保護者の方とお話する機会がよくありますが、中学、高校と進学するにつれ、お子さんの成長が感じられなくなっていくという感覚が伝わってきます。この研究結果も納得できます。

勉強の内容に関して、小学校であれば保護者の方も対応できることが多いでしょう。しかし中学、高校の勉強の内容は保護者の方も説明しづらくなってきます。これも不安を増幅させる一つの要因になっているようです。

具体的な内容がわからなくなると、保護者はテストの成績という一点に集中してお子さんを評価せざるをえない状況になります。

学校、学習塾も生徒の評価を情報開示する方法として、一番手っ取り早いのがペーパーテストの点数と偏差値です。

我が子によりよく生きてもらいたいという親心と、純粋な不安は「点数を上げなくては」という焦りに変換されます。

こうして一人の人間を数値化して外部から評価するという、保護者、学校、学習塾の共犯関係が生まれます。生徒は中心に置かれていません。

ペーパーテストは子どもの成長の一部分しか反映していません。私の肌感覚では全体の成長の25~30%くらいだと感じています。

テストと学力の不一致 - 教育は幸福感を届けられるか

このようにしてテストの成績を上げた結果、何が得られるのか、よく考える必要があります。生徒自身の幸福度が上がるのか、人間的に成長できるのか。その方向性があれば良い方向に進みますし、無ければ全くの徒労に終わる可能性があります。

子どもが一人の人間としてい生きていく上で、何を目指すべきなのかを定義すべきです。そして中高生の保護者にも明確に伝わり、かつ目標と一致した方法で評価していかなければならないと強く感じています。