「和」と「個」

フィンランドの教育を分析していると、個人を尊重する意識がものすごく強いのだなと感じます。

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日本でも少子化の影響で、あらゆる面で子ども一人一人に丁寧に扱うようになってきていますが、やはり日本人には「和」という意識は切っても切れないものです。

日本人は「和」の技術がある

われわれ日本人は、正しいかどうかに関わらず、相手に賛同するということがあります。これは人間関係を円滑にする上で非常に有利なスキルだと思います。

「個」のない「和」はやめる

しかし、賛同するだけの表面的な協調は、ただ他人に流されているだけです。自分と他人は”同じ”だから、意見も”同じ”だと考えているということです。これでは自分と同じ意見しか受け入れられません。

自分と他人が違うことを理解してはじめて、深いレベルでの協調が生まれるのだと思います。個人の意識を確立することと、協調することは矛盾しません。むしろ「個」が正しく発達することで、他人との「和」が生まれます。

自分と他人は”違う”から、意見も”違う”。これが本当に必要な協調性ではないでしょうか。

「和」を教育する

「和」のためには自分が一つの「個」であるというメタ認知他者意識が必要です。お互いが「個」であることを意識して、他者にも伝わる方法でコミュニケーションをとったとき、本当に素晴らしい「和」が生まれます。

そういったメタ認知や他者意識は、教育の現場で育てていくことができます。教科の学習、生活指導を通してこの能力を育てていくことは、とても大きな意味のあることではないでしょうか。