読解力は落ちているのではなく、抜けている

学生の読解力が落ちているということが話題になることがあります。これに関しては、学生の読解力自体は落ちてないのではないかなという風に現場で見て感じています。

とはいえ読解力が低下しているというデータが出てくるのはなぜかということを考えてみると、読む力が弱くなっているのではなく、そもそも読まないことが多くなっていると感じます。つまり、読めないのではなく、そもそも読んでいないというケースが多いのではないかと思います。

これは単純に学生の質が落ちてるとかそういう話ではないと思っています。この数十年ぐらいで人間の遺伝子が変わるわけではないですし、もともと生まれ持った能力というのはさほど変わっていないはずです。

なぜ読まないようになってしまったのかということを考えると、いろんな学習の環境であったり評価の仕方が関係していると思います。問題の答えなど結果だけを評価して途中のプロセスの評価がおろそかになっているからではないかと考えています。

小さい頃から結果だけ出せばいい、答えだけ出せばいいというシステムに囲まれた結果、途中のプロセスをおろそかにする考え方の癖が付いているのではないかと考えています。

マルバツだけに依存しない評価方法や、他人と比べない関わり方などが大切になってくるのではないかと考えています。大人がそういう環境をつくっていかなければならないのです。

正解にこだわるような学習方法に偏りすぎているものを、少し調整する必要があるのではないかと考えています。