少子化対策は本当に必要か

人口が減らないようにするのではなく、人口が今より減ったとしても持続できる仕組みを作ることが重要なのではないかと考えています。

今まで普通だと思っていたやり方は、実は人口が多い時代特有のやり方だったのではないか、ということです。

たとえば能力の高い人をふるいにかけてその一部の人たちにぶらさがってくような、いわばエリート依存のような発想です。

人口が多い時にはごく限られたエリートだけに注目して、そうでない人たちを切り捨てることも可能だったのです。実際には、多くの人が「自分はエリートだ」と思いたいばかりに自分を過度に飾ることばかり目がいってしまったように見えます。

これからはそうではなく、能力が高くても高くなくても全員の努力をかき集めていく段階に突入しました。

人口が多い時には無視されていた効率化を進める必要があります。これまでは効率よりも苦労を選んでいた傾向にありました。

苦労したから成果が上がるというような価値観です。感情的には自分が払った代償の分成果が上がると信じたい気持ちもわかりますが、もっと少ない代償で同じ成果を上げることができないだろうかと疑うことも重要です。

感情や慣習ではなく、事実に基づいた仕組みづくりをしていくことが必要なのではないでしょうか。