いま考える理想の開業プロセス

気がつけば独立して7年経っていました。ぼく自身は全く成長している気がしないですが、起業や経営の相談を受けることも増えてきました。

開業するならどのような方法がいいのかと考えると、できるだけシンプルに、欲張らずに成長させるプロセスが重要だと思います。

資金調達

まず一年間赤字でも生活できるだけの資金を調達します。調達は、貯金ではなく融資や投資の方がオススメです。

どちらかというと貯金の方が怖いという印象です。

100万の貯金は額面通りの価値しかありませんが、100万借りられるということは100万以上の価値があることを意味します。

そして緊急の資金が必要になったとき、貯金しかしてこなかった場合は融資や投資をはじめて経験することになるので、精神的な負担が大きくなります。

いいところを探してもらう

一年運営していく体力をつけたら、商品を評価してもらえる人の声に耳を傾け、改善していきます。

情熱を注いだ自分の商品が売れなかったらどうしようという不安から、商品数を増やしたり価格を下げたりするような空回りは避けたいものです。

幸か不幸か、どんなにやる気の無い人でも、どんな業種であっても必ず評価してくれる顧客は存在します。

ですから落ち着いて自分の商品のいいところを探して改善していけば前進することができます。

自分で自分のいいことを探すという至難の技を、顧客にお願いしてフィードバックをもらい、検証と改善のプロセスを無数に繰り返していくのです。そのためにも一年間は運営できる体力が必要になります。

そして満足してもらえるコアの部分をしっかり作ることを目指します。コアになるのは全体の60%くらいです。つまり、残りの40%がダメであっても買ってもらえる商品力をつけるということです。

クレーム対応をしない

良いところを伸ばして、60%の強い商品力をつけることが初期の目標になります。

商品力のコアがまだ60%に達していない段階で、残りの40%に手を出すのは時間の浪費になることが多いです。

たとえばクレーム対応です。

クレームに対応したからといって良いものはできません。「悪くないもの」ができるだけです。大企業にとっての1%改善は数百億円になるかもしれませんが、それ以外のビジネスでは1%改善にかかるコストに見合わないでしょう。

むしろクレーム対応をすることによって特徴のない商品になり、競合だらけのレッドオーシャンに位置してしまうことにつながります。

良いところを伸ばすためには、クレーム対応ではなく何を評価してもらえているのかを検証することが重要です。

そして良いところが鋭く尖った商品を作ります。クチコミ評価で3〜4が多いビジネスよりも、1と5の両極端に票が集まるものの方が良いのです。

このようなプロセスで1年間経営してみると何かしら得られる経験があり、自然と改善する仕組みができていくのではないかと思います。