「がんばらない」にも種類がある

誰もがんばらなくていい仕組みを作るということがいま最も関心のあることです。しかしあまり良くない意味での「がんばらない」もあるということにも気が付きました。

たとえば100メートル走の選手に100メートルを20秒かけて走れというような、本来できるはずのことをさせない方法での「がんばらない」はむしろ苦しいものです。

IQの高い生徒が小中学校の勉強が簡単すぎて苦痛なのもこの種類のがんばらないに当たるのかもしれません。

もちろんがんばらないという言葉をこういった意味で使っているわけではありません。

本当の意味のがんばらないとは持続可能性、「続けられること」と言い換えることができるかもしれません。

たとえばがんばろうと決意して初日に100の力を出したとします。その次の日もがんばろうとしたものの気分が向かず80の力しか発揮できず自己嫌悪になり、さらに次の日からは70、50、10とどんどん落ち込んでいき最終的には0になってしまいます。そういったがんばり方は持続できないと思います。

そうではなく、最初からがんばらずに40、40、40、40を毎日続けていくことが結果的には一番良い形に収まります。これが「がんばらない」ということの本当の意味です。

仕組みをつくってがんばらなくていいようにすると、その余白によってさらに創意工夫が生まれるようになります。

仕組みづくりは一回作ればあとは力を抜いてもいいので、最初だけがんばればいいですし、その後の運営はがんばらずに安定して続けていくことが重要だと考えています。