どんなものも劣化する。だから劣化が想像できる天然素材を選ぶ

天然素材の良さについて「味がある」とか「素材本来の良さ」といったように抽象的に語られることが多いのですが、合理的な良さもあるのではないかと考えるようになりました。

天然素材は説明しなくても、見ただけで将来劣化することが想像できるというのも一つの魅力なのではないかと考えています。これはネガティブな意味ではありません。

たとえば木のイスに傷がついていたら「やっぱり木は傷つきやすい」という理由付けができます。傷自体は嫌かもしれないですが、ある程度変化を納得できるものです。

もしアクリルやプラスチックのイスに傷がついたら「傷がついた」というその事実だけが浮き彫りになります。化学的素材はモノ自体の見た目から劣化するということが想像できないので、劣化したことへの心理的ダメージがダイレクトに伝わってくるのです。

どんなものでもいつかは劣化します。ですからはじめから劣化することが想像できた方が、いずれ来る劣化の時に心に負担をかけなくて済みます。

そう考えると壊れやすい素材、変化する素材を使うメリットもあるのではないかと思います。