報酬が見えるものは合理化されてロボットやAIに

いずれ訪れるシンギュラリティに対して人間に残される能力は何だろうかと考えると、「やる意味が見いだせないもの」を一生懸命やることではないかと思います。

どれくらいの労力がかかってどのくらいの報酬があるかが計算できるものに関しては、ロボットやAIが非常に合理的にこなすことができます。いずれロボットの出来ることは恐ろしく広い範囲に及ぶと思われます。人間でなければできないと思われている繊細な手作業ですらできるようになるはずです。

逆にメリットが見えないものは、合理的に考えて活動の対象になりません。そこにこそ人間性の輝きが残されているのです。

たとえば科学の発展も似たような面があります。科学者たちは世の中に役立つから研究をしているとは限りません。純粋に自分が知りたいという欲求から割に合わないような大変な努力をして、その中のいくつかは世の中に役立つものになっているという例があります。

ロボットやAIが社会で活躍する時代には、他から見ると「そんなことやってどうする」と思われるようなことに没頭することこそ人間性を発揮する領域なのではないでしょうか。