言わなければ伝わらない、でも言えないことが大事

AIやコンピュータが人間に取って代わるということに関して、さほどナーバスになる必要はないと思っています。そもそも仕事を「奪う」という表現は良くないので、そういっうスタンスで発信される情報は遠ざけた方がよいのかもしれません。

一方で、AIやコンピュータの発達にともなって非常にデリケートな問題があります。言わなければ伝わらないけれども、でも言えないことが大事だということです。

言語化しなければ他人に伝えることはできません。しかしAI時代においては、自分の内面、美意識を磨くことが重要なことになってきます。

言えること、つまり自分の外に発信することは、全てコンピュータがインプット、演算、出力することで取って代わられるのではないかという心配が出てきました。

「言わなければ伝わらない」だけで済む時代ならば、表現法や合理的思考を磨くことが重要だったかもしれません。これからの時代はコンピュータにできないこと、たとえば自分との対話や直観、感情など「言えないこと」をいかに自分の内面で考えていくかが重要です。

「言わなければ伝わらない」ので言語化するスキルを磨く一方で、「言えない」こと、他人から評価されにくいことも磨かなければいけないという非常に難しい時代であり、そこがAI時代の苦悩なのではないかと思います。