点数化によって得られたもの

個人的には脱ペーパーテストを目指していますが、ペーパーテストが無意味ということではなく、点数化するという発明にもかつては大きな意義があったと考えています。

ひとつの大きな意義は、勉強に興味がない人も興味を持てるということです。100点満点のいわばゲームにすることによって、勉強自体には興味がない人も勉強に関われるようになりました。連立方程式がどうこうという話題には興味がなくても、100点中の90点という話であれば参加することができるからです。

たとえばただ単にスーパーで牛肉が安い、と宣伝するよりも牛肉が2割引と表示した方が多くの人によりわかりやすく伝わるのと同じことです。

勉強に誰でも参加して口出しできるように裾野を広げるという大きな役割を果たしたのだと思います。その意義を認めた上で、ペーパーテストからは卒業していくべきだと考えます。

進学率を見ても実際の肌感覚としても勉強をする生徒の数はかなり増え、もはや裾野を広げるという段階ではなくいかに成熟させ質を高めるかという段階にきていると思います。

牛肉の話でいうと、2割引という数値化だけでは肉の質が落ちて安くなったのか、高品質なのに安くなっていたかわからないからです。

教育においてはペーパーテストの数字では見えない部分が多いので、自己評価や先生の見取りによる柔軟な評価が必要だと考えています。