目で外の世界を見て、知恵で自分自身を見る。

お金や地位、優秀さを持っているだけでは幸福になれないようです。幸福は知恵によって見つけるものなのかもしれません。

ちょっと考えてみると、お金があったからといってできることは意外と少ないのです。

たとえば2倍の値段の料理が2倍おいしいということはありません。高級車も自分自身は一度に一台にしか乗れず、高級な服や貴金属も一度に着られるものは限られてきます。そして最初はうれしかったものでも、徐々に慣れていって感覚も薄れていくのだと思います。

お金さえあれば幸せになれるとか、〇〇さえあれば、というシンプルな思考回路のうちはまだ夢を持てるのかもしれません。

実際にはそうではないと悟った時に、ある種の虚無感が生まれます。お金があっても幸福感を得られないとしたら、どうやって幸福を感じればいいのかという困惑です。

幸せは獲得するものではなく、見出すものかもしれません。お金が心を満たしてくれないのであれば、自分は何に価値を感じているのか、自分の内面との対話がはじまります。

そして自分を見つめるためには知恵が必要です。

目は外の世界しか見せてくれません。自分の内面を見るには知恵が必要です。地道な生活の中でしか身につかない知恵こそ、私たちが追い求めるべきものなのかもしれません。