和の精神はコンテクスト能力のことか
一般的に、日本の社会では調和を大切にするということがいわれています。
何も考えずに肯定することは悪い和の精神といえるかもしれません。良い意味での和の精神は、文脈をよく理解した上で多様性を認めるものです。
自分と違う意見の人がいても怒らないことが、日本の長い歴史で培われてきた本当の意味での和なのだと思います。
コンテクストにもいくつか種類があります。
自然に身につく文脈
たとえば「冷凍食品はおいしくない」という感じを、なんとなく皆さんが共通して持っていると思います。
それをそのまま受け入れるにしろ反論するにしろ、知らず知らずのうちにこの文脈は獲得されていきます。
こうした自然に身についた文脈が重視される環境もあります。地方などでは今までやってきたことが正しいと考える傾向が強いというような例があります。
後から学習する文脈
今なぜこういう状況にあるのかを考えることによって獲得する文脈もあります。理性や推論によって理解される文脈です。
たとえば、商品開発でマーケティングをしていった結果、常識的には思いつかなかったアプローチを見つけたりすることがあります。
これは後から学習された、新しい文脈です。
学習する文脈の重要性
どちらの方法にしても、人それぞれが違う文脈を持っていることを理解する必要があります。そのようなコンテクスト能力が和の精神なのだと思います。
その視点に立つと、創造性と和の精神も共存しうるといえます。