ほめない評価法

自己肯定感を高めよう、という気持ちでとにかく良いところをほめようとすると、かえって嘘くさい褒め方になってしまう、ということがあるようです。

ほめられるというのは外部からの評価ですから、ほめられないとやらなくなるという心配も少しあります。

もっと自立した姿勢にさせることができる評価法が、承認するという方法です。

たとえば、何かできないことを克服したときには、「〇〇ができたんだね」という風に、やった事実をそのまま認識してもらうというのが承認です。

「〇〇ができてえらいね」というほめ言葉は、「あなたはこうである」という、いわゆる”Youメッセージ”と呼ばれるものです。もちろんほめるのは悪いことではないのですが、Youメッセージの主体は言葉を述べた人であって、相手が主体になっていません。

そうではなく自分を主体として、誰かが見てくれていると実感できる承認は、十分なご褒美になるのです。他人の言葉を通して自分のやったことを再認識できるので、メタ認知を高めることにもつながります。

もし承認だけでなく、もっと感情的な喜びを伝える方法もあります。相手がどうだったかではなく、自分がうれしかったという”Iメッセージ”で伝えればよいのです。「〇〇ができるようになって、私はうれしかった」というように、主語を自分にすることで、言われた相手は自分主体の解釈ができます。

Youメッセージで評価することを避けて、承認やIメッセージでのコミュニケーションをとっていくことでより自立した姿勢を身につけることができるようになっていきます。