デザインはハサミ打ちで

われわれノンデザイナーがグラフィックデザインをするときには、迷うことがたくさんあります。そのすべての細かいテクニックを身に付けるのはなかなか難しいものです。

ですから細かいテクニックを覚えていくのではなく、様々な場面で使える根本原理を抑えるのが効率の良いやり方だと思っています。

その一つがハサミ打ちのテクニックです。これは極端と極端で調整してみて、違和感を感じれば反対側に動かし、また反対側に動かす流れを繰り返してるうちに適切な位置を探すというテクニックです。

例えば文字の大きさです。一度極端に大きくしてみて、これはありえないだろうというサイズまで持っていきます。次に、今度は逆に極端に小さいところまでサイズを変えていきます。そうすると小さい側にもこれはありえないだろうという限界が見えてきます。

そして今度は「極端に大きい」よりも少し小さいサイズまで大きくします。そこで違和感を感じればまた小さくして、また違和感を感じれば大きくしてという繰り返しをやっていくうちに、だんだん振れ幅が小さくなっていきます。こういった形で適切な位置が定まっていきます。

これは大きさだけではなく色でも同じです。赤すぎる限界まで調整してから緑の限界まで動かしてみて、適切な位置を探すというような流れで進めるとうまくいきます。

ちょっとずつ一方向にずらしていくと、違いがよくわからずあまりうまくいかないことが多いです。そうではなく極端と極端の間を往復してハサミ打ちするテクニックは非常に便利だと思っています。