起業をサブスク化したのが労働

会社に雇われて労働するよりも起業して自分でビジネスをやった方がかっこいいというようなイメージがありますが、そうとも限らないのではないかと思います。

労働と起業の違いというのは、所有するかシェアするかというような違いと似ていると思っています。物を買って自分で所有するのではなくシェアしてサブスクのような形で月額料金に払っていくというようなスタイルがありますが、その形と似ていると思います。

シェアというのはいろんな制約があるものを月々にならして考えるというような概念です。例えばいま車のサブスクというのが少しずつ進んできています。車に関しては買って自分で所有したいという人が多いのも現状です。他人から借りているのではなく自分で持っている方が安心だという意見もあります。

借り物だから少し不安な面があるということですが、少し考えてみるとその不安もあまり当てはまらないということがわかります。自分で買って車を所有していたとしても、車検を通さなければならないとか自賠責保険に入らなければならないというように制約はたくさんあるわけです。

ですから所有したからといって完全に自分の思い通りに行くかと言うとそうではなくて、ある程度の制限を受けるということです。所有していてもある程度範囲の決まった中での自由で、完全な自由ではないということです。

そうであるならばどこかのサービスを利用して借りて、月額料金で払って制約の中の自由を行使するのも同じことなのではないかと思います。

仕事を自分で起業するのと雇用されて労働するのは似たような図式になっているかなと思います。自分で起業してビジネスを運営していく時には収入に波があります。その波を平準化して月々でならしたものが雇用契約や労働だと考えることができます。

ですから労働というのは月々でならして、リスクを減らした形の仕事の仕方だという風に考えることができます。労働というのはリスクを減らして極めてスマートな形での働き方です。そういった意味では雇用契約を結べるというのはなかなかクールなものだと思います。