身長コンプレックスは学校で生まれる
競争や序列をつけることによって、立ち位置が固定化してしまうという問題があります。
1つの例は身長に関するコンプレックスは学校制度の中で生まれるものだという話があります。
今の学校制度は同じ学年のメンバーが自動的にスライドして進級していく制度です。その中で一度固定した順位、例えば生まれつきの身長はなかなか逆転しないものです。
そうではない制度、年齢に関係なくグループを作るような文化では身長コンプレックスが存在しないと言われています。
最初グループの中で小さかった人が、成長するにつれて少しずつ身長が高くなっていきグループの中での順位を上げていきます。このようにして順位が順番に回っていく状況では身長コンプレックスというのは起こりにくいものです。
固定化した順位がずっと続いていくことにより、身長の特徴がコンプレックスになっていくことが考えられます。
これは身長に限らず学校の勉強やいろんな競争でも同じことだと思います。なにか順位をつけて競争する事は良いのですが、それによって序列が固定化されてしまうのではあまり健全ではないと思っています。
そうではなく、序列が順番に回っていくようなシステムの方が良いのではないかと考えています。
たとえば勉強でいうと、その学年の中で順位が低い生徒はほぼそのままの順位で上の学年に進んでいく傾向があります。
これがもし中学1年生から中学3年生まで混ざったグループであれば、1年生の時は順位が低くても自分が2年生になれば新しい1年生よりも序列が上がるかもしれないということです。
そして3年生になれば2年生や1年生よりも序列が上になるかもしれない、そして新しい1年もまた進級するにつれにつれ序列の低い所から高い所へ順番に循環していくことになります。
制度の設計としては序列が固定化しないように工夫すること、序列が循環するような設計作りというのが必要なのではないかと考えています。