地方ではキャリアをストックしにくい

働くというのはその瞬間に手を動かした分の給料をもらえるのが基本になります。1人の人間が手を動かせる分は限界があるので自然と働くと言う事の限界と言うものが存在します。  そこで所得を増やすと言う意味では瞬間の作業量だけで働いているのではダメで、何かストックしていくものがなければいけないということになります。

経営でたとえると、会員制スポーツジムであればインストラクターはその瞬間の労働もしますが、そもそもある程度の人数の会員がいるのであれば安定して収入は得られるということです。労働の限界を超えた収入を得る、これがストックの意味です。

ではビジネスではなくて普通に働く場合に何がストックにあたるかというと、スキルやキャリアを積んでそれをストックとして高い給料もらうことにあたります。

スキルや経験が高まったから給料が上がるというイメージです。

このようにキャリアの階段を上っていき収入が増えるというのが一般的なイメージだと思いますが、地方においてはキャリアを積み上げていくことが非常に難しいのではないかと思っています。

30年、40年前の会社であれば1つの同じ会社に所属して仕事をすることで、年数を重ねるだけで給料も上がっていくというような年功序列のシステムがありました。これもキャリアを積んでいくと給料が上がるというシステムの一つです。

ただし今はそのシステムは一部崩壊していて、長く勤めたからといって給料が上がるとは限らないという話をよく聞きます。

年功序列というのは会社の中でキャリアを積み上げて階段を上っていくという縦のシステムでしたが、そうではなくてキャリアを積んだから別の会社に転職すると言うような横のシステムが出てきます。

ただしこれは同じキャリアを生かせる別の会社が複数あって、労働者が企業を選べる状況にあるというのが大前提です。言い換えると同じ業種の別の会社がたくさんあると言うのが前提条件になります。

それは都会では成り立っているかもしれませんが地方ではなかなか厳しいかなという気がしています。そうなると1つの専門的なスキルを身に付けたとしても専門的すぎて他の会社に移動するということがしにくく他の会社では行かせない専門的すぎるスキルになってしまうということが起こっているように見えます。

スキルを高めてもそれが収入にはつながらないというのが地方の現状かと思います。