読解力低下に隠れるもう一つの問題
たびたびニュースで取り上げられる「子どもの読解力が低下している」という主張に対して、ぼくは少し懐疑的な立場です。
視点を変えて、むしろ教育現場で「言葉以外での学習方法」の発展が遅れていると考えることもできます。
普段われわれが使っている自然言語は、思考のすべてではありません。言語がなくても思考はできます。
知的には定型発達でも文字の読み書き学習に著しい困難を抱える障害、「ディスレクシア」のような例もあります。
言葉を使うことが得意な人とそうでない人がいるということを忘れてはいけないですし、むしろ得意な人の方が少数派だと思われます。
読解力低下という大義名分のもと、自然言語を得意とする能力の高い人だけを選別する思考に陥っていないか注意する必要があります。
本当の問題は読解力の低下ではなく、すべての人が学習できる環境を整備できていないということの方が大きいのではないでしょうか。
言語能力を高めることと並行して、非言語による学習コンテンツがもっと増やしいく必要があると考えています。
参考動画: Teaching Math Without Words, A Visual Approach to Learning Math