日常会話に逆説は必要ない
「でも」「しかし」「いや」という逆説の言葉を使わなくても会話は成立させられます。反論という形をとらなくても、相手に伝えたいことを伝えることができます。
たとえば
Aさん「男の人は家事が雑ですよね」
Bさん「いや、全員が雑なわけではないです」
という会話があったとします。
「いや」からはじまる逆説のくだりを考えてみます。データを取るとだいたい95%の男性が雑で、残り5%が丁寧、という感じだとします。
さきほどのAさんのセリフは95%の雑な男性にだけフォーカスした表現であり、それに対してBさんは残りの5%はどうなんだという反論です。
95%も5%も事実なのであれば、情報を追加するという方法で、逆説の論理にせずに表現することができます。
たとえば
Bさん「そうですよね。もしかしたら中には丁寧にやる人がいるかもしれませんね」
くらいに言っておけば良いのです。「逆説」ではなく、あくまでプラスの情報を「累加」するということです。
日常会話においては論理構造はあってないようなもので、とらえかたによって対立も協調も作ることができます。
論理通りに話をとらえるのはごく一部の人だけです。ほとんどの人にとっては協調の姿勢を示したほうが、伝えたいことが伝わるのではないでしょうか。