「勉強しなさい」は言っても良い

教育に関心がある親御さんであれば、親が子どもに「勉強しなさい」と言ってはいけないというのをどこかで見たことがあると思います。

ぼく自身もそう思っていましたが、最近は少し考えが変わりました。生徒のためというよりも、お母さんが自分で自分を傷つけないようにという視点からです。「言っちゃいけないことを言ってしまった」「自分はダメな母親だ」という自己嫌悪に陥るようなことが少しでも減ればいいなと思っています。

なぜ「勉強しなさい」と言っても良いのかというと、良くも悪くも親にさほど影響力はないからです。

自己嫌悪になるのは親が言ってはいけないことを言うと、のちのち子どもに悪い影響を与えてしまうという思い込みがあるからです。『子育ての大誤解』にあるように、子どもは仲間集団(peer group)からの影響がほぼ全てです。親には一生続くような影響を与えることはできないんですね。

ですから、言ってはいけないことを言ったからといって親子関係が崩壊してしまうということはありません。本当は悪影響がないのに「勉強しなさいと言ってはいけない」という呪いで自分で自分を苦しめているということですね。

ドライな表現をすると、言っても言わなくても同じです。それよりも言いたいことを我満してストレスをためたり親が自己嫌悪になってしまうことの方が悪影響です。

そもそも「〇〇してはいけない」は呪いの言葉です。たとえば「ミスしてはいけない」という言葉はミスしている姿を連想してしまうのであまりいい言葉ではありません。「どうしたら成功するか」という言葉に変えると、成功しているビジョンが見えていい方向に引き寄せられていきます。

ついつい「勉強しなさい」と言ってしまうのなら、それもいいのだと思います。