給与は労働の対価なのか

まだ上手く表現できないのですが、人件費は労働に対する見返りではなくもっとぼんやりしたコストだととらえたほうがよいのではないかと考えはじめました。

働いた分の給料が出るという発想を突き詰めると、能力の高い人が高い給料をもらうということになります。しかしきっちり100%労働の価値に給料を対応させるという発想はよくないのではないかと考えています。

たとえばビジネスにとって利益をもたらす10の仕事をした人に10の報酬を与えるということではなく、5の仕事をして人にも10の報酬を与えるということです。

なぜかというと、寄付やCSRなどの活動のことをふまえるとバランスがおかしいのではないかと考えるからです。寄付や社会貢献は労働に比べると事業に与える直接的な利益は薄いものです。ですから0の仕事をして10の報酬をもらっているようなものと考えることもできます。

そう考えると、寄付の相手先は0の仕事で10もらえるのに、労働者は10の仕事で10しかもらえないのは矛盾しているのではないか、という論理も成り立ちます。

誰かを雇って給料を払うということは、それ自体が社会貢献の側面もあります。ですから100%労働と給料が対応しているわけではなく、成果に関係なく支払う部分があるはずです。

今年度から寄付の金額を増やしていますが、給与は労働の対価だけとは限らないという考えを実践してみたいと思っています。