「自分がもうひとりいたらいいのに」という罠

ビジネスにおいてもその他の活動においても「自分がやらなきゃ」という使命感が時として本来の目的の邪魔をすることがあります。

特に誰かに仕事を頼んだ時に「自分ならこうするのに」「ここが違う」というような点が重なるとやはり自分がやらなきゃだめだという考えを持ちがちです。実際には小さなマイルールで、さほど大きな影響力はないものです。

「自分がやらなきゃ」はやがて「自分がもうひとりいたらいいのに」という罠に陥ります。

少し生物学的なアプローチをすると、われわれヒトは親と全く同じクローンとしてうまれることはありません。クローンだと困るんです。なぜなら同じ弱点を持っていると、何かあったときに全滅するからです。ある病気に弱いクローンばかり生まれると、その病気が流行したときに一発で絶滅します。

自分と全く同質のクローンを生み出すことは生存競争の上では効率が悪いんです。

同じように、チームワークにおいては自分のクローンが増えては困ります。自分の弱点をそのまま引き継ぐことはリスクを高めます。ですから自分とは違うメンバーを取り入れてリスクを減らすんです。

部下ができたりチームワークをする時にまずはじめに乗り越えなければならない壁ですが、まずは任せることです。言い換えると信頼することです。チームワークは効率よく分担することではなく、チームを信頼することからはじまります。