親の見る世界と子どもの見る世界は別物

ぼくはかつてパグを飼っていました。「待て」といえばきっちり待てるかわいい犬でした。

ぼくたち人間にとっての「待て」と犬にとっての「待て」の意味は同じなのでしょうか。実は隠れた前提として、飼い主がいる時に、という前提があるのだと思います。「待て」は「(飼い主が目の前にいる時は)待て」という意味になるのが普通なんですよね。

人間も、相手との人間関係によって振る舞いは変わっていくものです。親の前では少し甘えた行動、友達の前では見栄を張ってちょっと背伸びした行動、というような感じですよね。

人間の性格や振る舞いは、空の箱に何かを詰めていくイメージとは違います。隠れた前提として「この人の前では」が存在した上で、「〇〇をする」という振る舞いをするのです。

親などの大人の影響力は大人がいる時にしか効果がなく、外の社会での振る舞いは外の社会で学んだ時に身につくということが報告されています。