マニュアルは何のためにあるのか

マニュアルというとネガティブなイメージばかりが先行しがちですが、それは単にマニュアルが良くない使われ方をされているだけなのではないかと思います。

「銃は人を殺さない」という言葉と同じように、マニュアルが人を画一的な行動にしているわけではありません。

マニュアルは最低ラインを規定するものであり、業務のすべてをマニュアルに任せるとすべてが最低ラインになるということなのだと思います。

たとえば10の業務の中の10をすべてマニュアル通りやるように仕事をすると、マニュアルをこなすことだけで精一杯でそれ以外のことができなくなります。チェーンの飲食店などで挨拶や言葉遣いは非常に丁寧でしっかりしているのに、何か質問をするとすぐに「わかりません」という答えが返ってくるようなことです。

そうではなく、10のうち3くらいをマニュアル仕事にして最低限ビジネスとして成り立たせ、残りの7は各個人の裁量に任せるという風にすると良いと思っています。そこで生まれた余白は様々な創意工夫を生み出し満足度を高めます。上層部から規定しなくても、従業員は顧客のための良いサービスを考える力があります

経営者は従業員に任せる部分を増やし、従業員は自分自身の判断をもっと信じて行動ししていいのです。言い換えるともっと人間を信頼してもよいと思っています。