あえてインセンティブをなくす場合

お金や労力など何か犠牲を払ってもらった場合には報酬を渡すのが自然な考えですが、場合によっては報酬を無しにした方がいいケースがあります。

寄付や顧客の紹介などは誘因(インセンティブ)をあえて設定しない方が効果的です。

そのような行動をする人たちは、割に合わないと思われるような自己犠牲を払っているのが最も理想的な状態で、むしろ報酬に釣られてやっていると思われることを嫌います。たとえば寄付に報酬があることを大々的にアピールしている場合、逆に寄付をためらうような場合もあるのではないでしょうか。

誰かのために「役に立ちたい」という気持ちに対しては「助かっています」という感謝で返すのが適切です。金銭などで即物的なお礼をするのではなく、時間や手間を惜しまず感謝の気持ちを伝えることが一番の報酬になります。

常識で考えるとインセンティブを与えれば人は動くような気がしますが、意外にもそうでない場合があるのだと思います。