今まで教育と思われていたことが虐待といわれる時代

これから5年〜10年先の話として、いま当たり前のように子どもに圧力で接していることが近い将来虐待と呼ばれるようになると予測します。

小さな児童への虐待にまつわる悲しい事件が報道されていますが、中高生などもっと大きな生徒に対する教育虐待という問題が取り上げられるようになるのではないでしょうか。

教育虐待のおおよその定義は、子どもの人権を無視して勉強や習い事を強要する行為と言われています。

かつては「勉強しなさい」という比較的あいまいな叱責に留まることが多かったものが、近年では「目標達成のためにはこの勉強法とカリキュラムでなければいけない」とか「将来の生活のためにはこの学校に進学しなくてはだめだ」というようないわゆる正論で追い詰めるような関わり方が見られるようになってきました。

こういった関わり方の問題点は、一つには心理的な負担であること、さらには試行錯誤や失敗の経験を奪うということが挙げられます。

心理的負担というのは単純に行き過ぎたストレスが成長を阻むということです。子どもの人権に配慮した教育が求められます。

試行錯誤や失敗の経験を奪うということに関しては、最初から正しい方法を与えるということが虐待的な行為だと考えられています。失敗から学んだり立ち直る方法は生きていく上で必要な経験であり、それを教育の場から奪うのは虐待であるという考え方があります。

虐待というと強烈な言葉ですが、少なくとも生徒はもっと尊重されるべきだと思いますので、一石を投じる良い機会になるのではないでしょうか。