現状を肯定すると、なぜ妥協していると言われるのか

今の時代の人間は高い理想を求めず現状に甘んじている、という批判的な意見があります。

これに関しては、高い理想を求めることが正しいという価値観が揺らいできていることと、上を目指して挑戦できるだけの心の土台が固まっていないことが要因だと考えています。

現状を肯定することと、妥協は違う

肯定ということばをどういう意味で使っているか前提を共有する必要があります。自己肯定感とか、現状の肯定という時に使う「肯定」の意味は、「判断して認める」という意味です。

肯定は「良い」という意味ではないことに注目する必要があります。

たとえば、自己肯定とは今の自分の状態を「認める」ことであり、「良い」と判断することとは違います。悪いところも肯定して「認める」というのが自己肯定感です。

つまり現状を肯定するというのは、今起こっていることを客観的に認めるということであり、良くないと思うことをねじまげるという意味ではありません。

上を目指して高い理想を追い求めるにも、現状を肯定して、悪いところは悪いと認めなければなりません。

今の時代の人が挑戦をしていないとしたら、現状を肯定するトレーニングが足りないことも一つの要因になっているように思います。