「塾の先生の言うことは聞く」ことについて

塾をやっていると、保護者の方から「親の言うことは聞かないのに塾の先生の言うことはよく聞く」と感謝していただくことがあります。

よその塾でもよくあることだそうで、とてもありがたいことですから、少し深掘りして考えてみたいと思います。

言うことを聞かせようとしない

逆説的ですが、塾の先生は言うことを聞かせようという姿勢は見せないないからこそ、生徒が意見を聞いてくれるのだと思っています。

信頼関係の構築(ラポール構築)を重要視して、時間をかけたり表現を考えたり工夫しています。

そうやってラポールが構築されてからは、伝えたことがすんなりと伝わりやすいです。「この先生が言うなら、少しやってみようかな」という行動に移すこともあるかもしれません。

人間は不思議なもので、信頼できない人に 1 + 1 = 2 と教えられるのは腹が立ちますが、信頼できる人に 1 + 1 = 10 と言われると「なんでなんだろう?」と真剣に聞く耳を持つものです。

つまり、言うことを聞かせたのではなく、本人の内面から行動が変わったということですね。

ちなみにコーチングという手法としては「こうなって欲しい」という誘導はせずに、シンプルに相手の思考や心を反射することに重心が置かれます。

塾でなくてもできる

これは塾だから特別にできることではなく、ご家庭でも関わり方次第で実現できることです。

教育は関わり方がすべてを決めるという一つの例ではないかと思います。