他人と比べないことと競争することは別の話

「他人と比べないこと」と「競争しないこと」は同じ意味ではなく、少し複雑な関係にあります。

順位をつけないのは他人と比べている証拠

たとえば運動会でみんな並んで一位でゴールするという、都市伝説のような話があります。一見競争を避けているように見えて、これは他人と比べていることにほかなりません。

みんなが一位というのは、一位以外は価値がないという前提がなければ考えられないからです。

自分の軸があれば順位がついても悪影響はない

他人と比べないのであれば、順位がついてもアイデンティティには影響がありません。

もしくはうまく活用してプラスにすることができます。

ですから、他人と比べないということは、「競争に参加できる」ということです。競争を避けるのは他人と比べるという視点を肯定することになります。

自分の軸ができる前の段階での競争は潰れる

一方で、自己が確立する前の、他人と比べることでしか自分を評価できない段階で競争をすることは、とても不毛なものになるかもしれません。

自分で自分を評価できない状態では、他人からの評価でしか自分を測ることができません。他人からの評価は当然、全体の50%の人は平均以下ですから、自分を不適切に低く評価する可能性があります。

いまの子どもたちは

今、日本の子どもたちの自己肯定感は低いと言われています。私はほとんどの子どもが、彼ら自身の自己評価よりももっと素晴らしい存在だと感じています。

競争が良いか悪いかという賛否両論はありますが、競争を適切に受け入れることができるような、自己肯定感を確立することが必要だと考えています。