わかりあえないことに動揺しない

自分の専門知識が増えたり、コミュニケーションが上手になったという自負があればあるほど、何でも相手に伝えることができるという全能感に溺れてしまいがちです。

その結果、相手に命令したり圧力で自分の思う通りにコントロールしようとする傲慢な態度をとってしまうものです。

しかし、どんなに工夫してもわかりあえないことは確実に存在します。わかりあえないこと、無理解を含めたものをコミュニケーションだととらえる必要があるのではないかと考えています。

それでも伝わらない相手に自分の主張をすることを恐れず、理解を目的としない表現をすることも重要です。理解を目的としないというのは、無理に相手に合わせず自分の思う通りに自由に表現するということです。

たとえば親が子どもに「勉強しなさい」というのは理論的にも感覚的にも効果はゼロですが、親が「言ってはいけない」と自分を押さえつけて我慢する必要はないということです。どうせ伝わらないのであれば、言いたいように言った方がいいのではないかと思います。

賢くて優しい親御さんほど、自分を苦しめてしまう傾向があるので、そこはもっと気を楽にしてもらえたらと思います。

理解されようとしたコミュニケーションではなく、自分のやりたいようにしていることに対して、受け手が勝手に解釈して良い方向に向かうこともあります。

どうせ伝わらないくらいの気持ちで自分の自由に表現していると、たまに良い方に理解してくれる時もあるということです。