やりたいことと売れること

ビジネスをするにあたっては自分がやりたい理想のことと、現実的に生活費を稼ぐために売れることとのバランスで悩むことがあります。

特に起業初期などは売上を確保しなくてはいけないという焦りもあり、売れることに力を入れることが多いと思います。

私は実践できませんでしたが、今となっては起業段階からやりたいことに重点を置いてもいいのかもしれないと思います。

なぜかというと、ある程度利益が確保できるようになると売上が増えることにそれほど価値を見いだせなくなるからです。それよりも他人や世の中から自分は求められているのかということの方が人間としては深刻な問題であり、そのためには自分のやりたいことをやって他人から必要とされている実感を持つことの方が重要です。

それだけでなく、売れることに注力しているうちは自分のやりたいことでないがゆえに顧客理解が甘く、ぼんやりしたサービス・プロダクトになってしまいがちだからです。

たとえば塾で起業することを考えてみます。他社の折込チラシやwebサイトを見ると成績アップ、志望校合格の文字が並んでいるので、世の中はこれを求めているのだからこの通りやれば売れるのだと考えてしまいます。成績アップのための非常に合理的なシステムを構築して、それを保護者や生徒に提示します。

しかし本当に保護者や生徒が求めているのは勉強するにあたっての精神的な支えなのかもしれません

顧客が本当に求めているものを理解するには、表面的な言葉だけを追っていては不十分です。お金が欲しいという人はお金を使って幸せになりたいのです。通帳の残高を見て喜びたいわけではありません。

本当に自分がやりたいことであれば、顧客の求めるものがよりリアルに感じることができ、その結果サービス・プロダクトの質も上がって売上や利益、自分の存在意義も得られて良いのではないかと考えています。